倉庫・工場内での錆(サビ)対策でお悩みの方も多いのではないでしょうか。ここでは、倉庫・工場の錆対策におすすめの方法を4つご紹介。それぞれの特徴を解説しますので、ぜひ参考にして下さい。
長期間放置しておいた自転車のハンドルやチェーン、手入れを行った工具、古いお寺の屋根など、身の回りでもさまざまな錆を目にします。
錆は、空気中に含まれる酸素と水分が金属と化学反応することで起こります。錆は金属の表面から発生するため、防ぐためには、まず酸素や水が直接触れないように、表面をコーティングなどで覆うことが大切です。また、錆の進行速度は、湿度60%RHで増大すると言われているので、作業環境の湿気をできるだけ低くするのもポイントです。
倉庫・工場で錆対策をする場合、まず「さびにくい環境を作る」ことを意識しましょう。
まずは、錆の原因となる水分を倉庫・工場内に持ち込まないようにすることが大切です。倉庫・工場に運び込まれる荷物の中には、複数の倉庫を経由したり、受け渡し・運搬中に雨がかかってしまったりすることがあります。雨天時のパレットにカバーを付ける、輸送に用いる箱に蓋を付けるなど、雨濡れに備えた運用・運搬ルールを制定するのも一つの対策です。
ただし、自社だけでなく、取引先企業との協力が不可欠なため、実現は簡単ではありません。
倉庫・工場内の温度と外気温に大きな差があると、結露の原因となります。室内のあたたかく湿った空気が、壁や窓などに触れて冷やされることで、溢れた水蒸気が水滴になって結露が起こるのです。エアコンや遮熱シートなどを使って外気温との寒暖差を小さくしたり、乾燥剤などを使用したりするなどして温度・湿度を管理しましょう。
湿度計で湿度の管理を行うのも一つの手段です。広い倉庫では、場所によって湿度が大きく変わる可能性もあるため、複数の場所に湿度計を設置するとよいでしょう。さらに、湿度の測定値を記録しておけば、どのような条件のときに湿度が高くなるか、など傾向をつかむこともできます。
気化性防錆剤などを染み込ませた防錆紙で対象を覆っておくと、化学物質が出てきて在庫対象に付着し、防錆作用を与えてくれます。ただし、鉄、銅などで異なる防錆紙が必要なこと、時間が経てば効果が無くなる&付着した防錆剤の効果が長持ちしないため、定期的に入れ替えしなくてはならない点などがデメリットです。このため、加工の前後や保管・運搬時など一時的に使用するのが主流です。
シーリングファン(HVLSファン)なら、プロペラを回転させることで屋内全体の空気を循環させ、結露が発生しにくい環境を作ってくれます。出荷前の製品の錆防止、床面の結露防止(作業者の転倒防止)対策などにも効果的です。安価で場所を取らず、ランニングコストも低いため、世界中で導入が進んでいます。
ただし、設置には高所作業車を必要とする工事が必要で、機械や設備設置後だと取付がやや大変かもしれません。
倉庫や工場で錆対策を行う場合、扱う製品が多く空間が広いため、サビやすいものを持ち込まないよう配慮したり、温度や湿度の管理を徹底したりするのは非常に骨が折れるものです。また防錆紙も、鉄、銅などで異なる防錆紙を使ったり、定期的に入れ替えしたりしなくてはならないなど、手間がかかります。
おすすめは、手軽に設置できて省エネ性にも優れているシーリングファン(HVLSファン)です。すでに業務用エアコンを設置している場所では、併せて使うことでより効果を実感できるでしょう。
HVLSファンは、High-Volume(大容量) Low Speed(低速)の略で、羽をゆっくり回転させ、大容量の風を起こすことができる機械式ファンのことを言います。家庭用のシーリングファンとは異なり、業務用に使用される大型のものがHVLSファンです。錆対策はもちろん、熱中症対策、カビ対策・エネルギーコスト削減・寒さ対策・結露対策・臭い対策・鳥害対策・ガス対策などさまざまな効果を得ることができます。
他にもある、HVLSファンのさまざまなメリットを知りたい方はぜひこちらをチェックしてみて下さい。