HVLSファンとは、大きな羽を低速で回転させることにより、大容量の空気循環を生み出す大型ファンのことです。単に風を送るだけでなく、さまざまな効果が得られることから「次世代型大型空調システム」として注目を集めています。
倉庫、納屋、格納庫、配送センター、ショッピングモール、教会、オフィスビル、空港ターミナルビル、フィットネスセンター、学校などさまざまなシーンで活用されているHVLSファン。設置することで、主に9つの効果を得ることができます。詳しく見ていきましょう。
夏場の工場や倉庫には熱がこもり、過酷な労働環境となることも少なくありません。HVLSファンは、大きな気流で空気を循環させることで体感温度を下げ、倉庫内の温度の偏りをなくしてくれます。冷暖房の効率アップや、電気代コストの削減にも効果的。快適な作業環境をつくることで生産性の向上や、従業員の定着などにも貢献してくれます。
結露ができる原因は、冷たい空気が暖かい空気の周りで滞留してしまうことと言われています。HVLSファンで常に空気が流れる環境を作ることで、室内の温度ムラをなくし、結露が発生しにくい環境を実現。「結露のせいで金属製品がサビてしまう」といった悩みを解消することができます。
多くのモノを保管する倉庫は、構造的に換気がしにくい上、壁や床がコンクリートで作られています。このため特に夏場は、倉庫内が高温になりやすく、湿気やカビの原因になってしまいます。保管物を損傷したり、従業員の健康にも悪影響を及ぼしたりするので、倉庫の結露対策、湿気対策は必須です。HVLSファンなら、効率よく空気を循環させることでカビの発生を防いでくれます。
倉庫やショッピングモールなどで業務用の空調機を稼働させても、なかなか上手く暖まらない・冷えない!その上、設定温度を上げる(下げる)と電力コストが膨れあがる!とお悩みの方も多いでしょう。HVLSファンなら、空間の空気を効率よく循環させ、快適な温度を保つことが可能です。しかも、HVLSファンの消費電力は非常に少ないので、エアコンと併用することで空調効率を高め、さらなる電力コスト削減が行えます。
暖かい空気は高い所に昇っていく、という特徴があります。せっかく暖房の温度設定を上げても、天井が高い倉庫、工場、体育館等では天井付近ばかりが暖まり、人の高さまで暖気が降りてきません。HVLSファンなら、その暖気を下ろし、室内全体に循環させることが可能。これにより室内の温度を均一化し、底冷えを解消することができます。
床面に結露が発生すると、人や機械が滑りやすくなります。また、多くのモノを保管する倉庫では、結露によって保管物が損傷する恐れもあります。 HVLSファンなら、地面付近に溜まった湿った空気や、天井付近の暖かい空気を循環させることで、温度・湿度の差をなくし、結露を防止してくれます。また、今までに結露対策のために割いていた人手が不要となり、作業効率の改善にも大きく貢献してくれますす。
倉庫や工場では、窓やしきりが無い、天井が高いといった建物の構造上の理由、あるいは扱う製品の関係で換気が難しい場合があります。天井からHVLSファンを稼働させることで、室内の空気を撹拌することが可能。空気の淀みを軽減し、臭いを軽減してくれます。
HVLSファンのメリットの一つが鳥害効果です。 工場や倉庫などに入り込んだ鳥が巣を作って、庫内や保管物を汚してしまうケースがあります。営巣ポイントは高い位置が多く、掃除や駆除も大変です。HVLSファンを天井に設置し、大きな羽根を回転させることで、鳥害対策が可能。「鳥害が改善された」「倉庫内に鳥が入り込まなくなった」という改善例もあるようです。
健康に害を及ぼすものとして、2021年4月1日から溶接ヒュームの規制が強化されています。金属アーク溶接作業を行っている屋内作業場では、作業現場の換気を高め、ヒューム濃度を低くしなくてはなりません。HVLSファンなら、工場・倉庫で見かける横置き扇風機より大きな風量で、換気能力を高める効果が期待できます。
もともと、家畜のヒートストレスを緩和する目的で開発されたHVLSファン。1台設置するだけで、熱中症対策・錆対策・カビ対策・エネルギーコスト削減・寒さ対策・結露対策・臭い対策・鳥害対策・ガス対策などさまざまな効果を得ることができます。
しかも、電気代もあまりかからず省コストで利用が可能。すでに設置してあるエアコンなどと一緒に使えば、相乗効果が期待できます。環境改善でお悩みの方は、ぜひ検討してみて下さい。