大型施設だけでなく商業施設やカフェなど、街のさまざまな施設で近年導入が進んでいるHVLSファン。ここでは、HVLSファンについて知っておきたい基礎知識をご紹介します。導入をお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。
今やHVLSファンは、倉庫、納屋、格納庫、配送センター、オフィスビル、空港ターミナルビル、ショッピングモール、教会、フィットネスセンター、学校、カフェなど、さまざまな施設で幅広く活用されています。1台設置するだけでも、暑さ・寒さ対策、熱中症対策、サビ・カビ防止、エネルギーコスト削減、さらに結露や鳥害、ガスの対策など、多様な効果を得られることが魅力です。
HVLSファンの耐用年数はメーカーごとに定められています。また、モーター、ブレード(羽根)、制御部など、各部品でどんな素材を使用しているかによっても耐用年数は異なり、耐用年数を超えて使用すると、経年劣化が原因でさまざまな不具合が生じてしまうでしょう。保証内容や期間について知ることで、HVLSファンの自分に合った選び方がわかります。
倉庫や工場など大型施設で設置されている業務用エアコン。直接冷風(温風)によって空間を冷やす(暖める)ことができる点はメリットですが、CO2を多く排出してしまう点、大きな空間になるほど空調効果が十分に行き渡らない点など、デメリットもあります。屋内全体の空気を循環させるHVLSファンなら、CO2を排出しない上、換気、快適温度調整、結露・サビ・カビ対策などの効果が期待できます。
HVLSファン自体の風の効果は、各メーカー同スペックであれば大きな差異はありません。ですが、サイズや稼働音、品質、コストは製品ごとに異なります。選ぶ際に注目すべきポイントは、①費用、②品質、③納期、④信頼性の4点といえるでしょう。初期費用だけを気にして購入すると、電気代やメンテナンス費用などかえって高くついてしまう場合もあるので注意しましょう。
IP規格とは、国際電気標準会議(IEC)によって定められた、電気製品の防水・防塵性能を表す規格のことです。「IP55」というように、IP+数字2桁で表され、一桁目の数字が防塵性能の度合いを、二桁目の数字が防水性能の等級を表します。防塵は7等級、防水は9等級に分かれています。IP規格が記載されている製品なら高い品質が期待できるので、HVLSファンを選ぶ際にはぜひチェックしてみて下さい。
メーカーや製品により大きく価格の異なるHVLSファンですが、一つの価格の目安は、1台の設置につき工事費込みで150~400万円ほど。価格を左右する要因としては、ブレードの大きさや全体の重量、設置費用、保証費用などがあります。また、HVLSファンを実際に稼働させれば、以後はランニングコスト(電気代)が発生します。仮に消費電力が1.0kwの製品の場合、年間の電気代は約85,000円程度と考えておけば良いでしょう。
HVLSファンを導入するメリットのひとつは、メンテナンスの必要がないことです。製品の多くがメンテナンスフリーを謳っています。特別なメンテナンスは必要ありませんが、羽根の汚れがひどくて気になる場合は、自分でクリーニングしてもかまいません。また、有償にはなるもののメーカーに依頼してメンテナンスしてもらうことも可能です。製品ごとに保証期間も設けられています。万が一、不具合が発生してもすぐ対応してもらえるので安心です。
HVLSファン(大型シーリングファン)とは、天井から床に向けた大きな空気の支柱を作り出し、空気を屋内全体へと行きわたらせるための設備。屋内にいる全ての人が流れる空気に触れることで、体の表面から気化熱を奪われて体感温度が下がる仕組みです。空気を直接冷やす冷房設備(エアコン)とは、全く異なる原理で快適な空間を作り上げます。
単にブレードをゆっくりと回転させるだけなので、消費電力は非常に小さめ。設定温度を高めたエアコンと併用することで、年間消費電力の大幅削減を実現した事例もあります。