倉庫・工場内での寒さ対策にお悩みの方も多いのではないでしょうか。ここでは、倉庫・工場に効果的な寒さ対策をまとめてご紹介します。
倉庫や工場は、空間が広いため、どうしても空調が行き渡りにくいスペースが生まれてしまいます。品質保全や設備管理などの面から、温度を上げにくい、作業服が決められていて上着を羽織れないなど、さまざまな原因により、対策でお悩みの方は多いでしょう。とはいえ、あまりに寒い環境での作業は従業員のモチベーションダウンの原因になりますし、健康に悪影響を与える可能性もあるため、できる限りの寒さ対策は不可欠です。 企業として、工場に導入できる寒さ対策には何があるのでしょうか。
まず考えられるのが、ストーブの設置です。大掛かりな空調装置と違って購入してすぐに設置できる上、必要な場所に移動でき、ON・OFFも容易に行えます。灯油ストーブ以外にも、ハロゲンや電気、オイルヒーターなどバリエーションが豊富なので、場所や業務内容、工場の安全基準に合わせて選ぶことが可能です。また、ピンポイントで温められるため、エアコンを導入できない狭い空間、繊細な手作業が要求される仕事などで高い効果を発揮します。
ただし、広い倉庫・工場では多くの台数を導入しなくてはならず、初期費用がかかります。また、灯油ストーブは火気厳禁の場所、空気の入れ替えが困難な密室には向いていません。電気ストーブなら場所を問いませんが、毎日長時間使用すると電気代がかさんでしまいます。
出入口にビニールカーテンを取り付け、暖めた空気を逃さないようにする・外の冷気が工場内に入らないようにするのも一つの手段です。特に、広い工場の場合、一部をストーブなどで温めても周りの空間に吸収され、いつまでたっても十分な暖房効果が得られません。作業エリアをビニールカーテンで細かく仕切れば、効率的に室温を上げられます。
ビニールカーテンは設置や取り外しが簡単で、専門家による大がかりな工事も不要です。また、効果的な冷房効率アップに繋がることから、暑さの厳しい時期においても快適で過ごしやすい職場空間に整えることが可能です。ただし、ビニールカーテンで仕切る箇所が増えると従業員の移動にロスが生じ、作業効率が下がる恐れがあります。また、建物の構造によってはビニールカーテンの設置がしづらい場合もあります。
工場や倉庫の壁は外気の影響を受けやすい素材を使用していることが多く、せっかく機器で空気を暖めても、暖房効果が激減してしまいます。このため、屋根や外壁自体に遮熱材・断熱材を施工するのも一つの方法です。断熱材を施すことで、夏は冷房、冬は暖房の効果を得やすくなります。他にも、コンクリートの床は足元から体を冷やす原因になるため、床にクッションシートなどを敷くのもおすすめです。
ただし、倉庫・工場全体に断熱材を施すにはコストがかかります。また、工場や倉庫の稼働中に工事を行う場合は、業務に影響が出ないよう配慮しなくてはなりません。
シーリングファン(HVLSファン)なら、工場・倉庫内の空気を撹拌して、広い範囲の空気循環をカバーしてくれます。1台でおよそバスケットコート2面分ものスペースの空気を攪拌してくれるので、業務用エアコンなどと併用すれば、足下など、これまで暖気が届きにくかった場所の温度も均一化することができます。安価で場所を取らず、ランニングコストが低い点も大きな魅力。ただし、設置には高所作業車を必要とする工事が必要で、機械や設備設置後だと取付がやや大変かもしれません。
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大型シーリングファン (HVLSファン) |
業務用ストーブ | ビニールカーテン | |
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カバー範囲の目安 (※1) |
1,000m²~2,100m² | 120m²~150m²前後 | 入り口付近を重点的に対策 |
コストの目安 (※1) |
●初期費用:100~500万円 ●ランニングコスト: 79円(150W)~211円(400W) |
●初期費用:150,000円前後 ●ランニングコスト: 130(50Hz)~100円(60Hz) |
10,000~50,000円 |
おすすめの場合 | 空間全体の 寒さ対策をしたいとき |
局所的に短時間で 温めたい箇所があるとき |
低コストで 冷たい空気の侵入を防ぎたいとき |
空間全体の寒さ対策をしたい場合は「大型シーリングファン」
寒さ対策の方法は複数ありますが、空間全体に対して対策を行いたい場合は、空気を循環させることができる大型シーリングファン(HVLSファン)を導入することをおすすめします。
導入コストは必要ですが、一度設置すれば、定期的なメンテナンスは不要で、消費電力も抑えた運用ができるでしょう。以下では、大型シーリングファンを設置する場合、検討したいメーカーを紹介しています。
大型シーリングファン(HVLSファン)の中には、空気の流れを通常の逆回転(床から天井)にすることができるものがあります。
体感温度を下げたい夏場には前者の流れにし、逆に体感温度を上げたい冬場には後者の流れにすれば、
1台の大型シーリングファンだけで1台の大型シーリングファンだけで一年中快適な室内空間が実現します。
HVLSファンとは、大きな羽根をゆっくり回転させることにより、大容量の空気循環を生み出してくれる大型ファンのことです。順回転・逆回転の切替えが可能で、季節や室温に合わせて気流の向きを変えられるので、一年を通して快適な室内環境を維持してくれます。静音性に優れている上、電気代はわずかコーヒー1杯分。※業務用の空調機の電力コストが月に数十万円かかるのに対し、HVLSファンなら月に1万円以下に抑えることが可能です。倉庫や工場の寒さ対策を検討している方は、ぜひチェックしてみて下さい。
他にもある、HVLSファンのさまざまなメリットを知りたい方はぜひこちらをチェックしてみて下さい。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)の厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課からの要請調査によると、職場の冬場の室温について「少し寒い」と感じている人は27.2%、「寒い」と感じている人は11.7%でした。 事業所形態別にみると、「寒い」と感じているのは、「工場、作業所(鉄道の駅や 発電所、倉庫を含む)」(23.9%)、「輸送・配送センター」(22.0%)の勤務者に多いようです。事務所や研究所、ホテル等宿泊施設などに勤務する人に比べ、工場や配送センターなどに勤務する人は、職場の室温への満足度が低い傾向にあることが分かります。