カビは、食品や製品への異物混入や、製品・建物自体を劣化させる、非常に厄介なものです。ここでは、倉庫・工場のカビ対策におすすめの方法を3つご紹介。それぞれの特徴を解説しますので、ぜひ参考にして下さい。
カビが発生する条件は、温度と湿度と栄養です。この全てが揃うと、胞子が付着した場所から発育していきます。 カビが好む温度は25度(5〜35度)、湿度は80%以上。乾燥を好むカビなら65%程度でも生育するとされています。
倉庫や工場は、空調効率が悪い構造、換気しづらい環境、コンクリート材で作られた壁や床などが原因で、湿気が溜まりやすい状況です。湿気は、そのまま結露の原因となり、カビや錆、悪臭などを引き起こすため、結露対策・湿気対策が不可欠です。
カビを放置すると、根を張ってしまい掃除で取り除くのは困難です。漂白剤やメラミンスポンジを使って対処しますが、洗剤やスポンジが使えない場所もあります。 また、カビは健康にも大きな被害をもたらします。空気中にカビが浮遊し、それを吸い込んでしまうことで喘息やアレルギー性鼻炎、過敏性肺炎、真菌感染症などを引き起こしてしまう可能性があるのです。製品への混入はもちろん、作業員の健康のためにも、対策はしっかり行いましょう。
倉庫や工場は、高温多湿でカビが発生しやすい環境です。カビが発生してしまうと保管物、貯蔵物が傷み、廃棄処分をしなくてはならなくなったり、食品や製品への異物混入問題を引き起こしてしまったりなど、リスクが生じます。ここでは、倉庫や工場の防カビ対策を紹介していきます。
倉庫・工場は構造的に通気性や空調効率が悪く、湿気が溜まりやすい傾向にあります。湿度の高い状態を放置しておくと、倉庫内でカビが発生してしまうので、倉庫内の風通しを良くしたり、定期的に換気をしたりするのがおすすめです。
効果的に換気をするなら、日中に複数回、5~10分程度窓や出入口などを開け、空気を循環させるのがよいでしょう。ただし、毎日何度も換気を行うのはスタッフに負担がかかる上、扱う製品の都合で換気ができない倉庫・工場もあります。
倉庫・工場内に除湿剤や除湿マットを設置するのも一つの手段です。湿気の溜まりやすい床付近に設置するとよいでしょう。ただし、倉庫や工場は空間面積が広いため、業務用の除湿剤を多数用意しなくてはなりません。また、定期的に交換する、もしくは天日乾燥させて再利用する必要があり、設置する場所が多いほど手間がかかります。製品と一緒に除湿剤を納品しないよう、納品準備や封入の運用ルールも見直さなくてはなりません。
シーリングファン(HVLSファン)は、プロペラを回転させることで工場・倉庫内の湿った空気を撹拌し、結露・カビが発生しにくい環境を作ってくれます。広い範囲の空気循環をカバーするため、一台でも空間を有効に活用することが可能。設置には高所作業車を必要とする工事が必要で、機械や設備設置後だと取付がやや大変ですが、安価で場所を取らず、ランニングコストが低いため、世界中の倉庫・工場で導入が進んでいます。
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HVLSファン | 防カビ剤 | 除湿剤 | |
---|---|---|---|
カバー範囲 | 空間全体をカバーできる | 特定のエリアで対策で有効 | 比較的狭いエリアで有効 |
コスト | 初期コストはかかるが、 ランニングコストは低い |
単価は安いが、 人的コストが必要 |
単価は安いが、 人的コストが必要 |
メンテナンス性 | 定期的なメンテナンスは不要 | 定期的な塗り替えが必要 | 吸湿飽和になると新たな設置が必要 |
おすすめの場合 | 空間全体の対策を効率的に行いたい場合 | 特定のエリアの 対策をしたいとき |
あまり広くない 空間の場合 |
空間全体のカビ対策をしたい場合は
「HVLSファン」
カビ対策の方法は複数ありますが、空間全体に対して対策を行いたい場合は、空気を循環させることができるHVLSファンを導入することをおすすめします。
カビの発生を防止する「通気性」「汚れの滞留の防止」「室温調節」の面で、効果が期待できます。
導入コストは必要ですが、一度設置すれば、定期的なメンテナンスは不要で、消費電力も抑えた運用をすることができるでしょう。以下では、HVLSファンを設置する場合、検討したいメーカーを紹介しています。
HVLSファンは、羽根をゆっくり回転させ、大容量の風を起こすことができる機械式ファンのことです。家庭用のシーリングファンとは異なり、業務用に使用される大型のものがHVLSファンです。HVLSファンは、工場や倉庫での湿度対策に非常に有効な設備と言われています。また、熱中症対策や錆対策・エネルギーコスト削減・寒さ対策・臭い対策・鳥害対策・ガス対策などさまざまな効果も得ることができます。カビ対策でお悩みの方は、ぜひチェックしてみて下さい。
他にもある、HVLSファンのさまざまなメリットを知りたい方はぜひこちらをチェックしてみて下さい。